冬は暖かく、夏は涼しく、快適に暮らせる家づくりには、断熱性、気密性、耐震性、換気性能に優れた高性能住宅が重要です。ここでは全国の地元密着型の工務店を対象に、外皮熱貫流率UA値、気密性能を表すC値、熱貫流率Q値、耐震等級2以上または、HEAT20:G1グレード以上に対応しているハウスビルダーを地域ごとに紹介しています。
UA値、C値、Q値、耐震等級は、すべて各ビルダーの公式サイトに公開されている情報(2022年8月調査時点)をもとに記載しています。また、公式サイトで各数値が公表をしていないビルダーについては対象外としています。
東京都に本社を置き、全国的に展示場を展開している一条工務店。「家は、性能。」をコンセプトに、耐震性をはじめとした高性能な家づくりを行っています。耐震に関しては実大実験も実施し、その目で確かめることを徹底。断熱材や窓、オリジナルの住宅設備などを自社工場で生産することで、コストと性能を両立する努力をしているのも特徴です。
また、モデルハウスは基本的に“標準仕様”で施工。実際に建つ家のイメージとのギャップが少ないので、性能にはこだわりたいけれど、どういう家にしたいのかよく分からないという方も暮らしを思い浮かべやすいのではないでしょうか。
Q値 | 0.51 |
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C値 | 0.59 |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 38,000円 |
外壁使用断熱材 | 硬質ウレタンフォーム190㎜ |
住宅性能に関しては、外内ダブル断熱構法を採用した「アイ・キューブ」を参照。Q値(断熱性能)はUA値で考えると次世代省エネ基準を大きく上回る数値となっており、C値に関しても高気密の目安と言われる1㎠/㎡を切っているため、高性能住宅として高いコストパフォーマンスを誇ると言えるでしょう。
スウェーデンハウスは、北欧スウェーデンにおける住まいへの考え方である「親の代で家を建て、子の代でサマーハウス(別荘)を、さらに孫の代ではヨットを。」をコンセプトに、3世代先まで暮らし続けられる高性能住宅を目指して家づくりを行っているハウスメーカー。
北欧スタイルの洗練された住まいを叶える「ミューク」をはじめ、デザインや間取りを豊富なラインナップから選べるのも魅力。全国ネットの輸入住宅メーカーとしても知られているので、安定した品質で洋風のマイホームを手に入れたい方におすすめです。
Q値 | 1.14 |
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C値 | 0.73 |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 68,000円 |
外壁使用断熱材 | グラスウール120㎜ |
住宅性能についても、高断熱の住宅に仕上げるための目安と言われるQ値1.6以下を実現。C値についても1以下となっていますから、高性能住宅としての機能を十分に備えていると考えられます。断熱材は環境性能が高いとされるグラスウールを使用し、快適性を追求しているのが特徴です。
東急ホームズは、新築以外にもリフォームや不動産などに対応しており、都市開発を行う「東急不動産」やマンションやビルの建設・管理を請け負う「東急コミュニティー」、不動案の仲介・管理を行う「東急リバブル」など、幅広いグループ企業を有しているのが特徴。独自のネットワークと豊富な実績を活かしてしっかりとサポートしてくれる、建物の専門家です。
新築住宅に関しては、一般的な戸建てから輸入住宅、併用住宅まで建築可能。ハウスメーカーならではの安定性を備えつつ、お客様1人1人の要望をふまえた個性あふれる家づくりを行っています。
Q値 | 1.30 |
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C値 | 2.00 |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 81,000円 |
外壁使用断熱材 | グラスウール100㎜ |
住宅性能についても、基準値を下回るQ値と、経済的にもやさしい省エネ性を実現。C値に関しても以前は5.0が努力値として掲げられていたことを考えると、十分気密性に配慮した数字だと言えるでしょう。ただし、これは「ミルクリーク」と呼ばれる輸入住宅の数値を参考にしたもので、現在は販売されていません。更に向上している可能性もありますので、気になる方は一度ご相談ください。
住宅の設計から製造、販売、施工まで幅広く対応しているミサワホーム。創業から50年以上の歴史を誇り、マンションや介護施設、医療施設などの建築も経験したノウハウを活かし、安全性にこだわった住宅を提供しているのが特徴です。ほぼすべての都道府県にモデルハウスを展開していることから、寒冷地でも温暖地でも実績豊富なので信頼できます。
デザインは全体的にすっきりとモダンで、大人の邸宅という印象。平屋も取り扱っているため、将来的なことも考えて1階建ての方がいいかも、と思われている方にもおすすめと言えるでしょう。
Q値 | 1.41 |
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C値 | 5.00 |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 96,000円 |
外壁使用断熱材 | グラスウール |
住宅性能については、開放的な大空間設計でも耐震性を高められる「センチュリーモノコック」工法を採用。120㎜の厚木質パネルを用い、木造でも強くて快適な住まいを実現します。Q値やC値についても省エネの基準値を超える性能となっていますから、特に耐震性を重視する方は検討してみてはいかがでしょうか。
1974年に創業した三井ホームは、日本でツーバイフォー工法を採用するハウスメーカーとして代表的な存在。住まいはもちろんホテルや商業施設、オフィスなども手がける三井不動産グループに属し、その中でも木造住宅を専門的に取り扱っています。
木のぬくもりを活かした木造住宅ならではの柔軟性で、多様なデザインの注文住宅を施工。全館空調を導入しているのも特徴で、省エネ性能にも力を入れています。「家は、一生かけて、美しくなる。」をコンセプトにした1人1人に寄り添うオーダーメイド住宅は、暮らし続けるうちに木の印象が移り変わり、味わい深さを増してゆくことでしょう。
Q値 | 1.42 |
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C値 | 基準なし |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 101,000円 |
外壁使用断熱材 | ロックウール90㎜ |
性能については、特に耐震性を追求。地震の力を程よく分散する「モノコック工法」を用いているほか、前述した通りツーバイフォー工法も活用しています。耐震等級3にも対応しており、末永く安定した暮らしが期待できるでしょう。省エネ性能にもこだわっていますが、現在の詳しい平均値を知りたい方はぜひ一度お問い合わせください。
セキスイハイムは、創業以来「Service」「Speed」「Superiority」という3S精神に基づき、顧客満足を追求し続けてきた積水化学グループの住宅ブランドです。地球温暖化防止や持続可能な開発目標(SDGs)に積極的にも取り組んでいます。
また、工程のほとんどを屋根のある工場で行い、棟上げの日に屋根だけでなく玄関ドアや窓も取り付けるという独自の手法を用いているので、雨天時の影響を受けにくいのも強み。品質管理を徹底し、販売から生産、施工、アフターサービスまでエリアで一括サポートするなど、地域に密着したサービスを工夫している会社です。
Q値 | 1.60 |
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C値 | 1.00 |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 110,000円 |
外壁使用断熱材 | グラスウール |
性能に関しては、断熱性と気密性、ともにバランスよく高い数値を実現しているのが特徴。太陽光発電システムもふまえ、省エネ性能の高い住まいを提供しています。ボックスラーメン構造体による耐久性も魅力で、ベタ基礎や「複合型・地震吸収システムGAIASS」等も組み合わせた高耐震が魅力と言えるでしょう。
戸建て住宅建築をはじめ、「住まい」に特化した事業を行う積水ハウス。1960年の設立以来全国的に数多くの施工実績を積み重ねており、高性能ながら自由設計での家づくりを追求しています。アフターフォローの手厚さでも知られ、定期点検や保証などきめ細かなサービスが魅力です。
また、断熱性や気密性などの省エネ性能にもこだわり、高品質な素材を使用。耐震等級3にも対応しているため、ハウスメーカーならではの安定した住まいが叶います。
鉄骨住宅もありますが、自然素材のマイホームに憧れる方はやはり木造の「シャーウッド」に注目されるのではないでしょうか。洗練された開放的な設計は、ライフステージが変化しても家族の姿を柔らかく見守ってくれそうです。
Q値 | 1.60 |
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C値 | 基準なし |
年間冷暖房費(37坪の場合) | 最高132,000円 |
外壁使用断熱材 | ロックウール |
性能面では、木造軸組構法の性能規定の運用において「型式認定」されている工法を採用しているのが特徴。メタルジョイント接合システムと基礎ダイレクトジョイントを組み合わせ、地震に強い木の家を作り上げています。高い省エネ性能も期待できますが、詳しいスペックについてはぜひお問い合わせください。
このように、Q値やC値などの性能面で見ると、上記のハウスメーカーはいずれも高い数値なのが分かります。
同等の住宅性能を実現しようとするなら、全国的に展開しているようなハウスメーカーに依頼するしかないのでは、と思う方も多いかもしれません。しかし実際には地域密着型の工務店でも高性能住宅を建てることが可能です。
大切なのは「信頼できる会社を探す」こと。地域密着型の工務店はエリアごとの特性や風土をしっかりと把握していたり、規模が限られているからこそきめ細かなサポートが期待できたりと、また違った魅力があります。
そのため、会社選びの際には公式サイトである程度住まいの特徴や性能を確認した上で、直接相談してみるのがおすすめ。話を聞きに行ってみると、より具体的な家づくりのイメージが膨らみやすいのです。ハウスメーカーと地域に根差した工務店、どちらの可能性も探りつつ、自分に合った選択ができるよう考えてみましょう。
日本を代表する寒冷地である北海道。冬の寒さや積雪が厳しい場所で家を建てるなら、断熱性や気密性にこだわった高機能住宅を検討したいものです。そこでここでは、北海道で性能にこだわった家づくりを行っている地域密着型の工務店についてまとめました。
北海道以外にも、性能にこだわった工務店は全国的にたくさん存在します。地域密着型の工務店は基本的に店舗周辺を中心とした施工エリアに対応していることが多いので、できるだけ身近なところで探したいものです。そこで北海道をはじめ、幅広いエリアで高性能住宅に対応しているハウスビルダーをご紹介します。
選定基準は前述同様に「性能について具体的な数値や等級で公開・公表している」ことを重視していますので、参考にしてください。