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家を建てる上で欠かせない窓。方角に対する位置やどのくらいの大きさにするか、どのようなガラスを選ぶかで性能も変わってきます。では、一体どのような素材が代表的なのでしょうか?コストもふまえ見ていきましょう。

透ける?透けない?窓に使われるガラスの種類

窓ガラスは透明なイメージですが、プライバシーが重視されるバス・トイレやプライベートルームなどは、あえて透けないガラスが使われることもあります。一見同じように見えて実は違う、ガラスの種類について詳しくご紹介しましょう。

フロートガラス

住宅はもちろん、会社等でも一般的に使われる板状のガラスとされる「フロートガラス」。シンプルな造りで透明度が高く、採光に優れています。

中がよく見えるため、お客様に店内の様子をアピールしたい店舗等でも重宝しそうですね。コストも安く済む傾向があり、在庫が潤沢に用意されている場合が多いので、交換が必要になった際にもスムーズです。

型板ガラス

次に、フロートガラスは「片面に模様をつけて透けにくくした」ものを言います。完全に中が見えないというわけではなく、明るさや人影などはしっかり分かりますが、型模様によってぼやけるため視線を程よく遮れるのが特徴です。

住宅でもトイレや脱衣所など、プライバシーに関わる部分によく使用されるでしょう。

フロストガラス

ガラス表面をサンドブラスト(研磨剤を吹き付ける方法)、更に加工を加えたフロストガラス。型板ガラスに比べるとより一層ボカシが繊細なのが特徴で、外からの視線を遮る力も強いと言われています。

デザイン性にも優れていますが、型板ガラスよりコストは上がる傾向にありますから、注意が必要です。

強化ガラス

強化ガラスは、板ガラスを加熱・加工し表面に空気の圧縮層を生み出すことで、より強度を高めたものを言います。一般的には通常の窓ガラスに比べて3倍から5倍の耐風性や耐圧性、耐衝撃性などがあるとされ、商業施設や学校、ビルなど大規模な建物によく使われるのが特徴です。

万が一割れてもガラスが飛散しないため、ケガや大きな事故も防ぐことができるでしょう。

ペアガラス(複層ガラス)

こちらは高性能住宅にもよく使用されるペアガラス(複層ガラス)。2枚のガラスを張り合わせ、間にガスや空気の層を作ることで断熱性や防音性、防犯性などを高めたものです。

特殊フィルムや断熱ガラスを挟んで耐久性を上げたものも存在するほか、以下のような工夫で性能を向上させた製品も。

  • 真空ガラス:ガラス間を真空層にすることで、耐熱性や遮熱性をアップ
  • Low-E複層ガラス:特殊な金属膜を挟み、耐熱性や遮熱性をアップ

こういったガラスは特に北海道をはじめとする寒冷地の住宅で採用されることが多いイメージですが、省エネ機能を重視した住宅でも定番ですから、一度確認してみてはいかがでしょうか。

トリプルガラス

トリプルガラスは複層ガラスの一種で「3枚のガラス+2か所の空気層」によってできているガラスのこと。ペアガラスにより一層断熱性をプラスした製品で、こちらも寒冷地で採用されることが多いようです。

コストで言えばペアガラスより高くなりがちですが、その分高い断熱性能が期待できますから、予算に合わせて検討するのがおすすめと言えるでしょう。

◎「網入りガラス」もデザインだけじゃない!

ガラスの中にざっくりと網目のような模様が入った窓を見たことがないでしょうか?これは「網入りガラス」と呼ばれ、ワイヤーを入れることで耐火性や防火性を高めた製品です。

一般的には、都市計画法で防火地域や準防火地域に指定された場所で家づくりを行う際に用いられやすいと言われています。デザインだけでなく、性能もしっかりと考えられているのですね。

会社ごとに違う!こだわりのガラスや施工

このように、窓に使用されるガラスは種類によって様々な特性があります。特に複層ガラスやトリプルガラスなどは会社ごとにこだわりのものを厳選し、自社ならではの方法で活用している場合が多いよう。代表的な例についても以下でご紹介していますので、ぜひ確認してみてください。

真空トリプルガラス(YKK AP)

参照:YKK AP公式サイト(https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/CatalogDetail.do?method=initial_screen&type=clcsr&volumeID=YKKAPDC1&catalogID=23980000&designID=pro

YKK APの「真空トリプルガラス」は、文字通り3層のトリプルガラスの一種。そのうちの一層を真空状態にして遮熱性や耐熱性を高めたもので、サッシには熱伝導率が低い樹脂が使われています。厚すぎずスリムな印象で、サッシもすっきりとしているのでガラス面積が広く、開放的なのも特徴です。

ペアレックスツインガード(セントラル硝子)

参照:セントラル硝子公式サイト(http://www.cg-glass.jp/products/search/08.html

複層ガラスのうち、室内側にあたる面の中間層側にLow-E膜(特殊金属膜)をコーティングした板ガラスを用い、遮熱性と耐熱性をアップ。特に夏の冷房効率アップや紫外線カットが期待でき、温暖な場所にもおすすめです。

ツインLow-Eガラス(一条工務店)

参照:一条工務店公式サイト(https://www.ichijo.co.jp/technology/element/sash/

一条工務店のツインLow-Eガラスは、Low-Eガラスを室内側と中央で2枚採用した贅沢な窓ガラス。一般的な複層ガラスよりも高い断熱性を発揮するのが特徴です。

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